最後の木に 一羽の鳥
仲間たちは 空を旋回し
なぜ皆 消えてしまったのか
わたしは 最後の木にいる鳥
わたしの木から 消えていく森が見えた
七万本の松 すべてが流され
残ったのは わたしだけだった
テレビの前に 男がひとり
大きな声が 「すべて消えた」と告げていた
仲間を探し 羽ばたいた
見渡す限り 何もなかった
飛んで 飛んで
息が尽きるまで 飛び続けた
疲れて ひと息つきたかった
洪水のあと 最初に建てられたのは……
バーだった!
笑い声と なじみの味が
魂を そっと温めた
予想どおり
地元の味を守る者たちが
胸を張って そこに立っていた
カラオケの余韻を残しながら
私は安栖磯へと飛んだ
固い断崖から いとこたちがぶら下がり
繰り返し すべてを見てきた木に 宿っていた
線路が 次の行き先を示していた
仲間を 取り戻さねばと知っていた
おお 魔法の貝よ
今夜のこの駅で
私の仲間を 見つけさせてくれ
疲れているとわかっていた
だから その夜は休むことにした
五階の部屋は
洪水の線より 少し上だった
窓から見下ろす景色には
人間の営みが すべて消えていた
一階は新しくなっていたが
他の階は 失われたままだった
新しい規則は はっきりしていた
今も立っているなら そこに居続けてよい
倒れてしまったなら 建て直すことは許されない
私の泊まったホテルは それを以前にも経験していた
そして 一枚のプレートを掲げていた
チリからの津波が
1964年に この地を襲ったのだ
私は遠く 広く旅をした
けれども 影も形も見えなかった
本当に思っていた
仲間たちが 隠れるはずがないと
地獄の門を 私は見つめた
そこには 教会の鐘が見えた
それでも 自分の時間は必要だった
私は お茶を飲むために立ち寄った
新たな力を カフェインの魔法で得て
私は 何度も打たれた
母なる自然の その圧倒的な力に
彼女は…… ああ 神よ
コンクリートの板が あちこちに投げ飛ばされ
まるで トール神がこの町に来たかのようだった
漁師たちの灯りは 夜を照らしていた
けれど 私の仲間の姿は見えなかった
夜の闇の中でも
私は 再びテレビを見ている男を見た
彼は NHKの言葉を信じて うなずいていた
確かに思った
仲間の声が 聞こえたと
でもそれは 風だった
曲がりくねった青い鉄を
吹き抜ける 風の叫びだった
電気技師は 悲しみに沈んでいた
電気は どこにもなかった
インディアンの髪が 風に揺れていた
またしても ハリウッドの大げさなカメオ登場
私は 中へ飛び込んで 覗いてみた
何も残っていなかった シンクさえも
思いのこもった形が 引き裂かれ
看板は 再び警告していた
通り過ぎる港は どこも裸になり
ひび割れ 崩れ 岩だらけだった
アイビスのエディが 目の前に現れた
「ホォーーン」と鳴いて 私を導いた
崖を越えて 彼は私を連れて行った
海から見える 三角のしるしをたどりながら
船たちは 光を浴びて輝いていた
どれも 報いに満ちていた
あの一隻を除いては――
建物の上に 乗っていた船だけは
あれには 本当に驚かされた!
コウノトリが 赤ちゃんを届けたあとに
ギャンブルを好むことは 知っていた
でも このアイビスが
なぜビンゴに向かって飛んでいるのか 不思議だった
ビンゴ!
ビンゴ、それが答えだったと 私は最後に気づいた
インディアンの友が そこにいた
そしてついに その友が言った
「あそこにいるのが お前の鳥たち」
「そこにいるのが お前の仲間たちだ」
私は 遠くから見守っていた
群れの感情が 時を止めた
最後の木にいた鳥が
ついに 仲間のもとへたどり着いた
だがすぐに はっきりした
私は その場にはいられない
人間は 誇らしげに現れ
最後の木に コンクリートを流し込んだ
これで その木は永遠に立ち続けることになった
けれど 木は風を感じなくなった
コンクリートの隙間は 命を与えない
私は 最後の木にいた鳥だった
仲間たちを 見つけたのだ
人はまた 電車に乗り込んでいった
過去のことなど すぐに忘れて
希望と強さの象徴が
私の道に 静かに残された
確かな破壊が 私を解き放った
私は 最後の木にいた鳥
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